x, y, z座標系において,偏微分は各軸独立な操作なので,次のようなcommuteな関係が成り立つ.
p^xy−yp^x=0, p^xz−zp^x=0p^yz−zp^y=0, p^yx−xp^y=0p^zx−xp^z=0, p^zy−yp^z=0
一方,p^xとxの間の交換関係は次のように表される.
(p^xx−xp^x)ψ= −iℏ∂x∂xψ+iℏx∂x∂ψ=−iℏψ
他の軸についても同様の関係が成り立つので,
p^xx−xp^x=−iℏ, p^yy−yp^y=−iℏ, p^zz−zp^z=−iℏ,
(1),(3)の関係は,互いに異なる軸上の位置と運動量であれば同時に確定値を取ることができるが,同じ軸上の位置と運動量は同時に確定値を取れないことを示している.
このことを1次元の場合に限って,もう少し深く考察してみよう.ある粒子が領域Δxにあり,運動量がp0(周りの非常に狭い幅に収まる)とする.このとき波動関数をψ=u(x)e(i/ℏ)p0⋅xとおいて,運動量領域にフーリエ変換してみよう.
a(px)=∫−∞∞u(x)eiℏp0−pxxdx
いまu(x)は領域Δxにのみピークを持つような関数なので,周波数(運動量)として有意な値を持つのは,対応する半波長(ω=λ2π)がΔxとそう変わらない場合のみであろう.このことから,以下のような不確定性原理が予想できる.
2Δx2π∼ℏΔp → ΔpxΔx∼ℏ